私は英語学習にずいぶん遠回りをしてきましたが、決してそれらがすべてムダであったとは言いません。でも、私は英文学が趣味でもないし、仕事上どうしても英語図書の原文を読まなければならないということもありません。英語の分厚い本を見ると読む気がしませんし、どうしても中身を知りたいのなら、訳本を探して読みます。しかし、ビジネスに英語は活用していますし、日本人のビジネスパーソンとして、その範囲だけにおいては不自由しないくらいの実力は持っています。私はアメリカの大学に1年間留学する機会にめぐり合いましたし、商社に入社してからは7年間をロサンゼルス、3年間をニューヨークに駐在しました。でも、最初から英語ができたわけではありません。「10年もアメリカにいたら英語が上手になるでしょう」とも言われますが、そんなことはありません。日本人がたくさんいるオフィスで一日の大半を過ごし、夜は日本語だらけのピアノバーに通っているのでは、英語が上手くなるはずがありません。ロサンゼルスにいたときなど、ヒスパニック(Hispanic=スペイン系=メキシコ人)の掃除のオバサンと毎日話していたおかげで、私の下手なスペイン語のほうが、むしろ上達率は高かったと思います。繰り返しになりますが、英語が下手でもビジネスコミュニケーションはできます。とはいえ、ある程度の英語の基本知識や単語力は必要です。でも、心配しなくても大丈夫です。大事な単語や構文は中学校時代にやっていますので、それを思い出せばいいのです。後は、ビジネス一般に必要な単語と専門分野の単語を少し覚えればいいだけです。自分が使う単語が限られていても、ビジネスに必要な表現はできます。なお、これからご紹介するコツは、すべてのビジネスパーソンにとって必ずしもベストな方法とは限りませんが、多くの後輩からは共感されました。