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南北の関係でとくに注目されるポイント

南北の関係でとくに注目されるポイントを2つあげると、多国籍企業と累積債務問題。多国籍企業とは、ゆるく言えば、工場、子会社、現地法人などを複数の国に置いて活動している企業です。先進国への進出も多いけれど、原料や市場の確保、低賃金の利用などの目的で南にも進出が盛んです。それが南の発展にどう寄与するのか、しないのかが大問題。南の工業化のための資金を北から借りたけれど、なかなか返せなくて、返すためにはまた借金するほかなく、債務が累積しているのが累積債務問題です。その処理のしかたをまちがえば、世界的な金融恐慌が起こるのは必至です。南の中から新興工業経済(NewlyIndustrializingEconomies)が登場して、北との激しい競争が始まりつつあります。とくに韓国、台湾、シンガポールはアジア−ニーズと呼ばれ、日本への挑戦が注目の的です。定義は百いくつもあると言われるくらい、多くの人々がそれぞれのイメージで希望を託したのです。

地価がこれほど高くなった一因

地価がこれほど高くなった一因は、土地が投機の対象にされてきたことです。1990年度の土地取引額は約59兆円、そのうち46%は企業の購入代金でした。すべてが投資目的ではなかったにせよ、資金力のある企業が高値で土地を買うと、まわりの住宅地の価格もそれにつられて上昇します。その後、バブルが弾けて地価はやや下がりましたが、それでも地代や利回りなどを参考にして計算した「理論地価」を大幅に上回っているといわれています。勤労者のマイホームの夢を実現させるには、地価をもっと引き下げ、諸外国よりも割高な建築費を安くしていかなくてはなりません。投機的な土地取引を厳しく規制し、税制の強化や首都機能の移転も検討する必要があるでしょう。「上地神話」を打破するには、生産緑地の宅地への一部転換といったような小手先の対応ではもはや不十分です。「土地は国民の財産」という土地基本法の精神に則って、土地を所有する時代から、利用する時代に変えていく大胆な施策が待望されています。

貧困の解決が先か、温暖化対策が先か

京都議定書は2008〜19年を第一期とし、つづけて第二期を予定している。削減量はさらに厳しくなり、削減義務がすべての国に課される。だが、これにも難題があり、主要先進国と中国・インドなどの新興国のあいだでせめぎ合いがつづいている。08年7月の洞爺湖サミットでは主要排出国会議(MEM)が開催され、今後の対応策が話し合われた。しかし、温室効果ガスの排出削減をめぐって、主要8か国(G8)と、中国・インドなどの新興国が対立し、長期的なビジョンを共有できなかった。この会議で、先進国は「新興国側も削減義務を負うべきだ」と主張した。それに対し新興国側は、これまで蓄積している二酸化炭素の発生源は19世紀以降工業化をすすめてきた先進国側にあるのだから、その責任を認めたうえで議論しなければならないと反論。さらに、新興国は、まだ国内に貧困を抱えており経済成長が阻害されるべきではない、として対立をつづけている。世界経済の発展か、それとも地球へのいたわりか……。いま、人類はその選択を迫られる重要な分岐点にきている。


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